「引き継ぎ書」が機能しないのは、手順しか書いていないから
KKnorbly編集部約 1 分
手順はあるのに、なぜ止まるのか
担当者が抜けるとき、多くの会社で引き継ぎ書が作られる。手順は丁寧に書かれている。それでも、引き継いだ側は数ヶ月後に必ず止まる。
止まるのは、手順に書いてある通りにやったらうまくいかなかったときだ。
- このチェック、飛ばしていいのか悪いのか
- 例外のときだけ手作業にしているのは、手抜きなのか意図があるのか
- なぜこの取引先だけ手当が違うのか
これは手順の問題ではなく、判断の根拠が残っていない問題だ。
手順と意思決定は別のもの
手順は「今どうやっているか」のスナップショットで、古くなる。意思決定は「なぜそうしたか」の記録で、当時の前提が変わらない限り古くならない。
引き継ぎで失われているのは後者だけだ。手順は、最悪見ながら再現できる。
残すべき 4 つ
業務ごとに、次の 4 つをセットで残す。
- 決めたこと — 例えば「請求書の発行は毎月 5 営業日、逆算して前月末に締める」
- そのときの前提 — 例えば「経理が 1 名、取引先 30 社」
- 採らなかった選択肢と、採らなかった理由 — これが一番抹消されやすく、一番価値が高い
- 見直しの引き金 — 例えば「取引先が 50 社を超えたら再検討」
3 番目が重要なのは、引き継いだ人が最初に思いつく改善案は、たいてい「一度検討して採らなかった案」だからだ。理由が残っていないと、同じ検討をもう一度やることになる。
退職のときに書かせても遅い
最大の問題はタイミングだ。退職が決まってから書いた記録は、本人の記憶をたどった再構成でしかない。「なぜそうしたか」は、決めたその日にしか正確に書けない。
だから引き継ぎは、退職時のイベントではなく、日常の意思決定をその場で残す運用に変えるしかない。